電気自動車 (EV) は本当にエコなの？ フロンティア・プロジェクトから

フロンティア工学類3年第3または第4クォーターに希望者が行うミニ研究, フロンティア・プロジェクトのレポート紹介, 第2弾です.

竹中聖誠, 電気自動車がガソリン車よりもエコ になる条件

竹中君のレポートを見るまでは, 漠然と, 電気を化石燃料で作っている限り, EVってそんなにエコじゃないよな. と思っていました. でも, 竹中君がライフ・サイクル・アセスメント (LCA) その他を色々調べてレポートしてくれたおかげで, 色々と勉強になりました. 調査結果をかいつまんで紹介すると

・例えば, 金沢のある北陸電力での電力生産における炭酸ガス発生量を元に計算した場合でも, 走行距離あたりのEVの炭酸ガス発生量は, ガソリン車の半分くらいである.

これだけなら, EVってすごくエコじゃん, ということになりそうですが,  意外にも?

・EVの製造時に発生する炭酸ガス量は, ガソリン車のおよそ2倍である (増加分のほとんどが充電池の製造時に発生する).

・このため, 走行距離5, 6万キロまではトータルでガソリン車の方が炭酸ガスの発生量が少なく, それ以上の走行距離ではEVの方がエコになる.

ということになるようです. 発電の構成が変わっていけば結果も少し変わるかもしれませんし, LCAの計算法によってはまたちょっと違った結果が得られるかもしれませんが, 大筋はこれで間違いないようです. 竹中君は文献リストもしっかり作ってくれているので, 気になる方は原典にあたってください.